原子力プログラマの備忘録

作る、遊ぶの爆発力

ゲームクリエイター育成講座「駿馬」にいってきた話

今年ももう終わりか

 今年も残すところ一週間を切りました。来年は就職活動がメインの年になりそうだ。さて、今年最後に参加したゲーム関連のイベントが「駿馬」というイベント。ご存知の方も意外といらっしゃるのではないだろうか。折角行ってきたのでのでそれについて書いていこうと思う。

駿馬ってなんだ

 以下のサイトが駿馬を運営しているfarrier様の公式サイト。

www.farrier.jp


 駿馬は日本全国を回りながら開催している学生のゲームクリエイター向けの勉強会だ。講義、ワークショップ、複数のゲーム会社の説明会がセットになった超豪華で素敵なイベントとなっている。しかも参加費無料!ただし応募者の中から抽選で受からないとけない。

 こんな素敵なイベント何処で見つけたのと思う方もいると思う。実はサークルの広報twitterがあるのだが、そこに駿馬の運営の方から直接お誘いの連絡をいただいたのだ。こんな有難い話は滅多にない。だがサークルのメンバーで実際に参加したのは僕一人。みんなそれでいいのか...!というか勿体ないことしたなと思う。

 司会はfarrier様の代表の馬場保仁さん。以下のサイトは馬場さんがfarrierを創業についてが書かれている。

https://www.redbull.com/jp-ja/yakyutukuwww.redbull.com

 彼は龍が如くof the endモンキーボールサカつく等でディレクターやプロデューサーしていた超すごい方なのだ。そんな方から講習を受けられるというだけでも十分に価値があるのではないだろうか。

当日の状況

会場に入るまで

 会場は京都下京区にある京都リサーチパークという、研究開発やベンチャービジネス支援が目的の施設。その地下の広間が会場だった。受付であらかじめオンラインのチケットサービスで頂いたQRコードをスキャンしてもらい、名札を受け取って会場に入る。名札には色のついた丸シールが貼ってあり、プログラマー、プランナー、デザイナー等の希望職種によって色が異なり、一目でわかるような仕組みだ。明らかにグループワークをするであろう6脚ほどの机が配置された島が10箇所程度に点在していた。どこに座ってもいいようだったのでステージの前の見やすい場所を陣取った。

開始

 12:30に開始。まずはみんなで自己紹介。どうやら京都の専門学校生が多い様子。周りを見る感じだとプランナー志望が多かった。僕の島はイイカンジにプランナー、デザイナー、プログラマーが揃っていた(プログラマーは島で僕一人だった)。

講習

 軽く自己紹介を済ませたところで早速ステージで馬場さんの講習が始まった。これまでにどのような形でゲーム業界に関わってきたのか等の自己紹介に始まり、龍が如くof the endを軸に制作秘話を話してくれた。リアルの企業の店をゲームに出す際のIPについてや、反転問題といった3Dモデルの課題などなど。聞いていて飽きない内容ばかりだ。特に、世代によってゲームに対する考えや経験が違うという話が興味深かった。インターネット等で容易に情報をかき集められなかった時代では、買ってみないと面白いかどうかがわからない。今のおじさん世代は昔、クソゲーをやらざるを得なかった。そのせいで本当に自分のやりたいゲームが見つかるまでに様々なゲームを経験することになるのだ。それに対して、我々インターネットが普及してから育った世代は、容易に人気や面白いゲームの情報が手に入り、すぐに自分にとって一番面白いゲームを見つけてしまう。そのため、他ジャンルのゲームの面白さを知らないのだ。僕個人としても、様々なゲームを作る人を見てきたが、Steamのインディーズゲーム等のクソゲー多様なゲームをプレイしている人は想像力が豊かで面白いアイデアを出せる傾向があると考えている。若人よ、クソゲーをしろ。

ワークショップ

 続いてプランナー向けの内容ではあるが、ワークショップに入った。今回は「コンセプト」について学んだ*1。何をしたかというと、まず、配られた用紙にお題の動詞を含んだ「名詞」「動詞」「名詞」「動詞」ゲーム。の並びの短文を20個書けというもの。「エイリアンと 戦って 地球を 守るゲーム」といった具合だ。最初は「回す」というお題で練習。参加者の約半数が20枠書ききって裏にまで書いていた。やる気満々だな!僕も確か22個くらい書いた。続いて本番。「開ける」というお題で同じく20個。流石に疲弊していたのか、ちらほら20枠時間内に書ききれないものもいた(私も間に合わなかった)。書ききったら今度は右隣の人に先ほど書いた用紙を渡す。そして、そこに書いてある役20の短文の中から、これなら面白いゲームが作れそうだと思うものを一つピックアップし、掘り下げていく。そのあとグループで話し合い、グループの中で一番面白そうなゲームを一つ選ぶ。10個ほどグループがあったが、時間がないのでジャンケンで勝利した3グループだけが発表の機会が与えられる(私は負けました)。それぞれが馬場さんに発表を行うのだが、驚いたことに馬場さんはボロックソにそのゲームのアイデアの問題点を指摘するのだ。「その説明ではゲームのイメージができない」「そのゲームの目的は何か不明」「そのゲームを客にプレイさせてどういった感情を起こさせたいのかわからない」「そもそもそのゲームはどの点が面白いのか」など。えげつなすぎて見てられないレベルだ。だが厳しく言われる機会なんて学生時代そうそうないだろう。発表した人はいい経験になったのではなかろうか。彼らは勇者だ。拍手を送りましょうと馬場さんは言い、全員で発表者に拍手を送った。

企業説明会

 ワークショップが終わると、企業の説明会に入った。4社がブースに分かれ、それぞれに参加者が移動し、説明を聞いていく。この辺の情報は少し割愛。少人数なので質問が行いやすく、有意義な説明会だった。

その他

 あとは各企業の代表者がステージに立ち、トークショーのような形式で質問に答えたり、集合写真を撮ったり、希望者のみ企業の方に作品講評をしていただいたりした。計6時間。超疲れたがこんなに楽しく意義のあるゲームクリエイター向けのイベントは初めてだった。

まとめ

 駿馬は2016年から始まり、僕が参加した回で21回目となる。次の第22回は1/27に横浜で行うそうだ。毎回内容が異なるので、興味のある方、ゲーム会社志望の方は是非行ってみるといいだろう。

*1:毎回内容が違うらしい